経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)について-1

「パンデミック」「COVID-19」「SARS-CoV2」…と、平常時には殆ど聞かない言葉が普段の会話に普通に飛び交い、「酸素飽和度」「パルスオキシメーター」等も同様に使われるようになりました。

ここでは、「酸素飽和度」「パルスオキシメーター」について、実験も交えて、簡単に説明します。

 

  • 「酸素飽和度」
    「経皮的動脈血酸素飽和度(Saturation of percutaneous Oxygen)」→ 「SpO2
  • 「パルスオキシメーター」は、1974年に、日本の医療機器メーカーの研究・技術者によって発明・開発されました。
  • 肺によるガス交換(酸素をどの程度取り込んでいるか)の程度を、非観血的・経皮的に(観血的ではなく…採血等を行わず)測定することができます。
  • 酸素飽和度の変化(周期)も計測しているので、脈拍も計測することができます。

【呼吸と血液循環のしくみ】

人の循環器系では、末梢から心臓に戻ってきた血液(静脈血)を肺に駆出し、呼吸によって膨らんだたくさんの「肺胞」の「肺胞膜」を介して、肺胞と接している毛細血管からO2を取り込み、体循環に駆出する(動脈血)。
(同時に、血液内のCO2が、「肺胞膜」を介して肺内に取り除かれる)
これが「呼吸」の一連の動作。動脈血中に取り込まれた酸素は体循環に駆出されます。

血液中に溶け込んだO2は酸素分圧の関係で微量ですが、赤血球内のヘモグロビンもO2を取り込む(酸化ヘモグロビン)ので、動脈血は末梢に十分な酸素が供給できるようになります。

【パルスオキシメーターの測定原理】

動脈血中には、
酸化ヘモグロビン(酸素を取り込んだヘモグロビン)と、
還元ヘモグロビン(酸素を手放したヘモグロビン)
が存在しますが、それぞれの「分光吸光特性(どの程度の波長の光を吸収するかという特性)」が異なります。

  • 酸化ヘモグロビン…「赤外光」付近の光をよく吸収する
  • 還元ヘモグロビン…「赤色光」付近の光をよく吸収する

なので、動脈血に一定周期で「赤外光」と「赤色光」を同時に当て、透過した光を計測、それぞれの透過光の割合から、酸素飽和度を計算します。
(酸化ヘモグロビンが多いときは、「赤外光」付近の吸光が多く、「赤色光」付近の吸光は少なく、逆に還元ヘモグロビンが多いときは、「赤外光」付近の吸光は少なく、「赤色光」付近の吸光が大きくなる。)

 

【パルスオキシメーターの誤差】

  • 上記の通り、動脈血の流れ・赤血球の動きから、酸素飽和度を計測しているので、脈流が阻害されている場合は計測できません。
  • ヘモグロビン異常の場合、影響を受けます。
  • 爪にマニキュア等を塗っている場合は、透過光に影響→計測値にも影響を受けます。
  • 検査用色素等が血液中に入っている場合は、影響を受けます。
  • 末梢循環が悪い場合は、影響を受けます。
  • 周囲の環境光の影響を受けることがあります。
  • 「透過光型」センサ(一般的な、指先を挟む形)の場合は、発光部と受光部がきちっと向かい合っていないと、計測値に影響が出ます。

次のページで、センサモジュールを使って実際に酸素飽和度を計測してみます。